Full transcript
0:0026
0:00歳の俺が受けたのは大手ゲーム会社の中途都面接だった。迎えに座ったのは
0:03[音楽]
0:049 割落とすと噂の女の面接感。
0:07お名前からお願いします。
0:09その声を聞いた瞬間俺の頭は真っ白になった。この声を俺は知っていた。
0:11[音楽]
0:137
0:13年間背中を預けた相棒の声だ。そしてその人は今俺の隣でコントローラーを握っている。話は面接の
0:201 ヶ月前に戻る。俺は
0:2226
0:22歳家電販店のサポート窓口にいた。人前で話すと声が震える。転職の面接は
0:277 車 連続で落ちた。 面接 感 の 目 を 見 た 瞬間
0:30用意 し た 言葉 が 全部 飛ぶ の だ 。 売り物 に
0:33なる 経歴 も 語れる ブリュー伝 も なかっ た 。
0:35唯一 の 居 場所 が 7 年 続け た オン ライン
0:37ゲーム だっ た 。 相棒 の プレイヤー 名 は ノア
0:39。 俺 は 縦役 で 7 年間 彼女 を 1 度 も 落と ない
0:42。 ずっと 守る 側 に い た ゲーム の 中 で だけ は
0:45俺 が 上 だっ た 。 7 年前 [音楽] の
0:47初日下手くそ な 俺 は 真っ先 に 倒れ た 。 盾
0:50は最後 まで 立て て る で も なく ノア は それ
0:52だけ 言っ た 。 その 日 から 相言葉 が でき た 。
0:56もう無理かも。
0:57まだ経ってる
0:58なら行ける。
0:59崩れかけた盤面は 7
1:00年ずっとこれで立て直してきた。互いに本も顔も食料も
1:041
1:04度として知らないままだ。ここでは仕事の話をしない。そう決めたのはノアの方だった。俺も黙ってそれに習った。科目な役の俺は必要なこと以外ほとんど喋らない。だから俺は
1:157
1:15年分彼女の声を聞き込んでいた。逆に彼女の側には俺の声の記憶がほとんどない。アがどんな人かは喋り方しか知らなかった。
1:23判断が早くて引き際を絶対に間違えない。味方が減ると必ず前に出る。誰かをかう癖が体に染みついた人だった。
1:301 度だけ理由を聞いたことがある。
1:32前に出ないと誰かが落ちるでしょ。
1:35落ちませんよ。俺がいるのであの時の沈黙の長さを今でも覚えている。
1:39そっか。じゃあ任せる。
1:417
1:42年でその一言をもらうまでに何百回も倒れた。現実の俺は何ひつ任されない男だったのに。好きなものを仕事にしたい。その一言すら言えずにいた俺を背中から押しのものだった。
1:53受けなよ。落ちたら私が慰めてあげる。
1:56落ちた時が怖くて会社の名前だけは言えなかった。掲示板にこう書かれていたからだ。
2:01あそこの一時面接感は
2:029 割落とす鬼だぞ。
2:04まさかその鬼が俺の相棒だとは思わなかった。面接当日会議室の空気は冷え切っていた。現れたのは目つきの鋭い女性。表情はピクりとも動かない。名乗ろうとした俺の口がそこで完全に止まった。待て。この声は
2:177 年間毎晩
2:18イヤホン越しに聞いてきた声だ。
2:20頭の中ののあの声と目の前の声が寸分なく重なった。まさかそんなわけがない。
2:26お名前は?
2:27あははい。申し遅れました。そこから先は地獄だった。死亡同機を語るはずが声が上ずって裏える。彼女は目を取る手を止めない。愛槌もない。目も合わせてくれない。
2:371
2:37週間かけて用意した言葉が頭から丸ごと消えた。沈黙が会議室を埋めていく。終わった。また同じだ。その時俺は無意識に自分へ聞かせていた。まだ立ってる。彼女のペンが止まった。
2:40[音楽]
2:49え、
2:50初めて面接感の顔が崩れた。
2:52今何か言いましたか?
2:54つぶやきは自分でも聞こえないほど小さかった。いえ、何も彼女は少し首をかしげてまたペンを持ち直した。不思議なものでそこから震えが止まっていた。崩れた盤面を立て直すのは
3:057 年やってきたことだ。
3:06チームで大事にしていることは何ですか?
3:09俺は初めて自分の言葉で答えた。後ろを見なくていいと思わせることです。
3:14前を向いてる人の背中を誰かが守っていればその人は迷わず
3:171
3:18番強い一手を出せます。俺はずっとそういう役をやってきました。言い終えた瞬間彼女の手がまた止まっていた。だが表情は最後まで動かない。
3:26以上です。お疲れ様でした。
3:28駅までの道で確信した。落ちた。
3:308
3:30車目も落ちた。相棒の声に聞こえたのは緊張が見せた幻だと思うことにした。その夜もつも通りのログイン。待ち合わせ地点にはもうノアが立っていた
3:40ねえ。
3:40仕事の話はしない約束だけど、今日だけちょっと聞いてくれる?
3:45[音楽] 7
3:45年で初めてのことだった。
3:47今日ね、名前は言えないけど変な子が面接に来たの。
3:51心臓が跳は跳ねた。
3:52猫背でボそボそ喋るし、途中で言葉も飛ぶしさ。なのに目だけ全然死んでないの
3:58か。顔とかはどうでした?何を聞いているんだ俺は?
4:01顔?評価に関係ないから言うけどね。悪くないよ。姿勢が悪いだけ背筋を伸ばせば化けると思う。
4:08画面の前で耳が熱くなった。
4:10でね、その子がこう言ったの。後ろを見なくていいと思わせることです。て、
4:12[音楽]
4:16指がコントローラーから滑った。
4:18私の仕事はもう長いけど、あの言葉に
4:211 番救われた気がする。
4:22言わなきゃいけない。あの、それ多分俺が
4:23[音楽]
4:25ん、
4:26そこで言葉が止まった。言えば全部が壊れる。そんな予感があった。
4:30どうしたの?
4:31いえ、続けてください。
4:33その子ね、最初はガチガチだったの。途中で
4:361 回何か小さくやいたのよ。
4:38背中に汗が滲んだ。
4:40聞き取れなかったけど、そこから急に変わったの。
4:43俺はもう一度息を吸った。
4:44あ、そうそう。毎年こういう子がいるのよ。
4:47遮えぎられた。
4:48うちの主力を 1
4:49本も遊ばずに音社が好きですっていう子。前の職場の悪口を
4:5310
4:53分間喋り続けた人。敬語がぐちゃぐちゃのまま最後まで治らなかった子。そういう中であの子だけ自分の言葉で喋ってた。
5:02もう一度口を開いた。
5:04実は俺
5:05なんかね、
5:06また遮えぎられた。
5:07あの子から一瞬あんたの気配がしたの。
5:10息が止まった。 [音楽]
5:11バカみたいでしょ。あんたの声もろに知らないのに。あんた転職活動中だったよね。
5:17名乗るなら今しかなかった。
5:19まさかね。ないない。うちみたいなところを受けるわけない。
5:23喉が完全にふがった。ここで名乗り出れば彼女はさっきの言葉を取り消す。面接感としてそうするしかなくなる。だから俺は黙って盾を構えた。
5:327 年 やっ て き た 通り に 彼女 の 前 に 立っ た
5:34だけ だっ た 。 数 日 後 、 一時 先行 通過 の 連絡
5:37が 届い た 。 メール を 開い た 指 の 震え 。 嬉し
5:40さより 先 に 冷たい もの が 背中 を 走っ た 。 俺
5:43を 通し た の は 他 で も ない の だ 。 彼女 は 俺 だ
5:45と 知ら ない まま 俺 を 評価 し た 。 知ら ない
5:48まま なら それ は 成 な 評価 の はず だ 。 だ が
5:50知っ て いる の は 俺 だけ だ 。 その夜 も ノア は
5:52いつ も の 調子 で 笑い た 。 あの子通っ た よ 。
5:56私 が 押し た の 久し ぶり に本気 で ね 。 そう
5:59です か 。
6:00声がかれないように喉に力を入れた。
6:02あんたも早く決まるといいね。
6:04その一言が 1
6:05番深いところに刺さった。その
6:071 週間で腹を決めた 2
6:09次面接の日が来た。部屋にいたのは
6:112
6:11人。役員と人事部長と名乗った男。彼女の姿はなかった。質問が始まる前に俺の方から切り出した。始める前に申し上げたいことがあります。一時の面接感と
6:227
6:22年の付き合いがある可能性。し本名も顔も食料も
6:251度も交換していないこと。こと呼べるものは何もない。
6:29それでもフェアではないから自分から申告する。黙っていれば誰にも分からなかった。だが彼女が
6:347 年守ってきた差を汚したくなかった。
6:37正直に言ってくれてありがとう。その判断は君の評価を下げるものじゃない。
6:42役員はそう言って笑った。
6:432 次面接そのものは手応えがあった。
6:467
6:46年間何を守ってきたかそれだけを話したからだ。ただ
6:491 人事部長だけが身を乗り出していた。
6:527
6:52年。それは面白い話ですね。
6:54その目を俺は読み違えていた。
6:56数 日 後 、 俺 は 起き た こと を 知らさ れ た 。
6:59人事 部長 は 役員 に 図ら ず 俺 の 申告 を 利益
7:01送犯 と し て 扱っ た 。 [音楽] 彼女 が つけ た
7:04一時 評価 は 前 が 無効 に さ れ た 。 俺 の もの
7:06だけ で は ない 。 その 日 彼女 が 見 た 応募 者
7:09全員 分 だ 。 通貨 も 不通 も 全部 ひっくり返さ
7:11れ た 。 彼女 が 積み上げ た 1 日 が 後方 も なく
7:14消え た 。 そして 彼女 は 一時 担当 から 外さ れ
7:17た 。 7 年 前 と [音楽] 同じ だ な 。 君 は 人 を
7:19見る 目 が ない 。 後 で 聞い た 話 だ が 、 その
7:21言葉 は 彼女 の 1番 古い傷 を えぐっ た 。
7:24[音楽] 8 年 前 、 彼女 が 強く し て 取っ た
7:26新人 が い た 。 才能 は あっ た が 、 車内 で 浮い
7:28た 男 だっ た と いう 。 彼女 は 守り きれ ず 、
7:31その 新人 が やめ た の が 7 年 前 だ 。 当時 の
7:33上司 が この 人事 部長 だっ た 。 以来 彼女 は
7:36自分 の 目 を 信じ られ なく なっ た 。 厳しく
7:38落とす 方 が 優しい 。 そう 思い込む こと で
7:40しか 面接 感 を 続け られ なかっ た 。 9 割
7:43落とす 鬼 と いう 噂 は 鎧い の 別名 だっ た の だ
7:45。 ノア が ゲーム で 仕事 の 話 を し なかっ た
7:48理由 も この 時 に なっ て ようやく 腑 に 落ち た
7:50。 あそこ は 彼女 に とっ て 鎧い を 脱げる 唯一
7:53の 場所 だっ た 。 人事 部長 に とっ て 彼女 は
7:56目障わり な 存在 だっ た 。 現場 を 知ら ない
7:58管理 職 より 鬼 と 呼ば れる 面接 官 の 方 が 車内
8:01で 信用 さ れ て い た から だ 。 利益 相犯 は ただ
8:03の 口日 で 本当 は 7 年 前 の 続き だっ た 。 だ が
8:061番 答え た の は 人事 部長 の 言葉 で は ない 。
8:09彼女 自身 が 自分 を 疑い 始め た こと だ 。 あの
8:12応募 者 に 相棒 の 気配 を 感じ た 。 だ から 甘い
8:14点 を つけ た の か も しれ ない 。 7 年 分 の 信頼
8:17が 市場 に よる 評価 に 見え て しまっ た 。
8:19その上 7
8:20年組んだ相棒が自分の会社を受けていたことを本人の口から聞けなかった。彼女がそれを知ったのは人事部長の口からだ。俺が申告した瞬間に彼女の逃げ場は消えていた。その夜ノアはギルドに短い伝言を残した。
8:24[音楽]
8:33[音楽]
8:33しばらく無理。ごめん。
8:35待ち合わせ地点にもう彼女はいなかった。フレンドリストのアイコンが灰色に変わっていた。何度メッセージを送っても既読すらつかない。
8:427 年間 1
8:43度も途切れなかった明かりだった。それでも俺は毎晩同じ場所に立ち続けた。
8:47盾 を 構え て 誰 も 来 ない 道 を 見 て い た 。 7
8:50年間 彼女 が 来 ない 夜 は ほとんど なかっ た 。
8:533 日 目 に 気づい た 。 俺 は 待っ て い た の で は
8:55ない 。 彼女 が 戻っ て 来 られる 場所 を 消し
8:57たく なかっ た だけ だ 。 それ だけ が 俺 に
8:59できる 唯一 の こと だっ た 。 だ が それ も 結局
9:02は 事故 満足 で しか ない 。 ギルド の 誰 も 事情
9:04を 知ら なかっ た 。 ノアさんどうし た ん
9:07だろう な 。 俺 は 答え られ なかっ た 。 俺 は
9:10正しく あろう と し た 。 黙っ て いる こと が
9:12卑怯 だ と 思っ た から だ 。 その 正し さ が 彼女
9:14の 7 年 を 壊し た 。 盾 の つもり で 1番 守る
9:17べき 人 を い た 。 眠れ ない まま 迎え た 朝 、
9:20天井 を 見上げ て 7 年 前 の 初日 を 思い出し て
9:23い た 。 虹 の 結果 は 通過 だっ た 。 彼女 の 評価
9:26を 消し た 上 で の 通貨 だ 。 こんな 通過 に 何 の
9:28意味 が ある の か 。 俺 は 事態 届け を 書き 始め
9:31た 。 会社 の 前 まで 行っ た こと も ある 。 受付
9:34で 名前 を 告げれ ば 彼女 に 会え た か も しれ
9:35ない 。 だ が 応募 者 が 面接 感 を 尋ねる こと 。
9:38それ こそ が 彼女 を 追い詰める 行為 だっ た 。
9:41俺 に できる こと は 何 も ない 。 メッセージ を
9:43売っ て 分けし 、 また 売っ て 消し た 。 ごめん
9:45の 3 文字 すら 遅れ なかっ た 。 謝れ ば 7 年 が
9:48謝罪 で 終わっ て しまう 。 気づけ ば ログ イン
9:50し ない 日 が 続い て い た 。 盾 を 担つぐ 理由 が
9:52どこ に も なかっ た から だ 。 相棒 の い ない 盾
9:55は ただ の 重い 鉄 の 板 だ 。 部屋 の 隅 で 面接 用
9:58の スーツ が 埃り を かぶっ た 。 7 車 落ち 続け
10:00た 時 より も ずっと深い ところ に 沈ん で い た
10:02。 沈み切っ た 週末 ギルド 仲間 から 連絡 が 来
10:05た 。 ノア が 消える前 ギルド 倉庫 に お前当て
10:08の 荷物 置い てっ た ぞ 。 慌てログ イン し た 。
10:11そこ に は 7 年 分 の 装備 が 綺麗 に 並べられ て
10:13い た 。
10:14添えられていたのは短い一分だけだ。
10:16盾は最後まで立ってて
10:187
10:18年前の初日倒れた俺にくれた言葉と同じだ。彼女はまだ立て直しを待っている。俺はかきかけの事態届けを破って捨てた。やるべきは謝ることでも告白することでもない。彼女の目は正しかったとに証明することだ。俺は最終面接の日を待った。最終面接の朝俺はネ帯を閉め直した。いたのはまた員と事部長だ。事部長が口を開く前に俺から話し始めた。先に全部お話します。
10:23[音楽]
10:447
10:44年間互いの本名を知りません。顔も食業も知りません。彼女は俺の仕事も受ける会社も知りませんでした。援と呼べるものは何ひつありません。それを証明できるのかね?
10:55できません。だから俺は自分から申告しました。隠したければいいらでも隠せたんです。部長の口元が止まった。そして俺は言うべきことを言った。彼女の評価を疑うなら俺を落としてください。ただし彼女の目を疑う根拠に俺を使わないでください。部屋が静まり返った。
10:55[音楽]
11:11沈黙を破ったのは役員だった。
11:14君の申告を受けて調べさせてもらった。
11:16机に置かれたのは 1 枚の集計表だった。
11:19彼女が通した人材の 3 年定着率は車内で 1
11:22番高い。
11:23鬼と呼ばれたその目はずっと正確だったのだ。
11:267
11:26年前にやめた社員のことも調べた。今は業界でなの知れた立場にいる。
11:31つまり彼女の目はあの時も間違ってなかった。間違ってたのはその目を潰した側だ。
11:36当時彼を潰した上司はどなたでしたか?
11:39人事部長は答えなかった。 [音楽]
11:41答えられなかったのだ。
11:42利益相犯を持ち出したのは先行のためですか?それとも
11:467 年前の続きですか?
11:48部長の期待に汗が浮いた。役員がもう
11:501 枚紙を取り出した。
11:52向こうの反王を押される前の一時評価シートだ。
11:55それは俺の面接の記録だった。
11:57美行欄に彼女がこう書いている。この応募者の言葉に私は
12:017 年間で 1 番救われた。
12:03喉の奥が熱くなった。それは相棒に向けた言葉ではない。名前も顔も知らない
12:071 人の応募者に向けて書いていた。
12:09あの夜 ゲーム で 語っ た 言葉 と 同じ だ 。 彼女
12:12は 相棒 だ から 俺 を 評価 し た の で は なかっ た
12:14。 目 の 前 の 応募 者 を ちゃんと 見 て い た だけ
12:16だ 。 7 年 前 から 彼女 の 目 は 何 も 曇っ て い
12:19ない 。 俺 は 顔 を あげ た 。 1 つ だけ お 願い が
12:22あり ます 。 この 評価 を 向こう の まま に し
12:24ない で ください 。 俺 が 落ち て も 構い ませ ん
12:26。 あの 日 彼女 が 見 た 人 たち に 結果 を 返や て
12:29ください 。 役員 が 目 を 見開い た 。 君 は 自分
12:32の 話 を し に 来 た ん じゃ ない の か 。 盾 な の で
12:35役員 が 出 て 笑っ た 。 7
12:37年間で身についたのはそれだけだった。面接が終わって廊下に出た時部長とすれ違った。なぜそこまでする?
12:447
12:45年背中を預けてもらったのでそれだけ答えて頭を下げた。エレベーターの前で役員に呼び止められた。
12:511
12:51つだけ聞かせてくれ。彼女に会いたいか?
12:54少し考えて首を振った。今あったらまた彼女の立場が悪くなります。順番があると思うんです。
13:01なるほどね。
13:01役員は何も言わずに書類をまとめ直した。会いたくないわけがない。
13:04[音楽]
13:05だ が 、 次 に 彼女 の 前 に 立つ 時 は 胸 を 張っ て
13:08い たかっ た 。 それ が 7 年 やっ て き た 盾 の
13:10維持 。 電車 の 窓 に 移っ た 自分 は 少し だけ
13:13背筋 が 伸び て い た 。 数 日 後 、 車内 で 調査 が
13:16入っ た と 聞い た 。 一時 評価 は 前 が 復活 し 、
13:19俺 の 分 だけ 別 の 担当 が 付け直し た 。 そして
13:22俺 の 携帯 に 届い た 一通 の メール 。 懸命 は
13:24採用 内定 の お 知らせ だっ た 。 内定 通知 が
13:27届い た その 夜 、 俺 は 7 年 通っ た 待ち合わせ
13:29地点 に 立っ て い た 。 灰色 だっ た アイコン に
13:32色 が 戻っ た の は その 時 だ 。 7 年間で 1
13:34番長い数秒だった。
13:36まだ経ってる?
13:37まだ経ってます。
13:39なら行ける。
13:40声が少しだけ震えていた。画面の向こうで彼女が鼻をすする音がした。俺は何も言わずにその音を聞いていた。
13:47ごめんね。 7
13:48年も一緒にいて何も言わずに消えたりして
13:51盾なので立ってるのが仕事です。
13:54明日顔を見て話したい。
13:557
13:56年目にして初めて俺たちは待ち合わせをした。翌日会ったのは面接室ではなくカフェだった。
14:01現れた彼女はあの日のつんとした顔ではない。目が赤かった。
14:05ずるいよ。私あの夜相棒の話ばっかりしてたのに。
14:10言おうとしました。 3
14:11回毎回先に喋られました。彼女がゼックした。それから彼女は声を出して笑った。
14:17何それ?最悪じゃない?
14:18笑いながら目じを拭っている。画面越しに
14:217 年聞いた笑い声が目の前にあった。
14:23役員から全部聞いた。
14:251 つだけ聞かせて。どうして私の評価をか
14:29あなたの目が正しかったからです。
14:317
14:31年かけて俺がその証拠になりました。彼女が下を向いた。長い沈黙の後で小さく口を開いた。
14:387
14:38年前ね。
14:39そこから彼女は自分の傷の話を始めた。押した新人を守れなかった日から自分の目が怖くなったこと。落とせば誰も傷つかない。そう思い込もうとしたこと。鬼と呼ばれるたび少しだけ安心したこと。
14:51厳しくするのが優しさだと思ってた。
14:54違いますよ。あなたは 7
14:55年人をちゃんと見てました。見た上で守れなかっただけです。
14:59それ は 目 の 問題 じゃ ない 。 彼女 の 方 が 震え
15:02た 。 7 年間 俺 が 守っ て い た つもり の 相棒 は
15:05ずっと 1人 で 重たい 鎧い を 着 て い た の だ 。
15:07面接 で あの 言葉 を 選ん だ の は 偶然 じゃ
15:09なかっ た と 思う 。 7 年 彼女 に 言わ れ 続け た
15:12こと を その まま 返し た だけ だ 。 その 後 の
15:14こと を 話し て おく 。 人事 部長 の やり 方 は
15:16車内 調査 で 正式 に 問題 と さ れ た 。 あの 日 の
15:19応募 者 全員 に もう 1度 先行 の 場 が 用意 さ れ
15:22た 。 彼女 は 一次 面接 に 復帰 し 、 人事 部長 は
15:25移動 に なっ た 。
15:26俺は翌月からカスタマーサポートの部署へ選んだのはやっぱり守る側の仕事だった。声が震える癖はまだ少し残っている。それでも人前で話せるようにはなった。車内で彼女とすれ違う時は餌釈だけ面接感と新入社員だ。当然だった。ただ
15:35[音楽]
15:401 度だけエレベーターで 2
15:42人きりになった。
15:43背筋伸びたね。
15:45それだけ言って彼女は先に降りて行った。顔から火が出そうだった。入社して半年後
15:502
15:50人で陣事に届け出て交際が始まった。最初のデートは互いにひどく緊張していた。
15:55変な感じ。 7
15:57年も一緒にいたのに初対面みたい。
15:597
15:59年分の初対面ですね。ゲームの話をしないと会話が持たないかと思っていた。そんな心配は無だった。
16:067
16:06年分の話がまだ何進んでいなかった。休みの日はソファに並んで同じ画面を見ている。相変わらず彼女はすぐ前に出て避弾する。
16:14もう無理かも。
16:15まだ経ってる
16:17なら行ける。 7
16:18年前とイチゴイック同じやり取りだ。変わったのは隣に体温があることだけ。
16:23彼女はもう鎧いを着て面接をしていない。
16:25落とすのも通すのも怖くなくなった。
16:28そう言って笑う声は 7
16:29年間聞いてきたままだった。付き合ってしばらくして彼女を実家に連れて行った。母は開光
16:341 番こう言った。
16:35あんたゲームばっかりで心配してたのよ。
16:38そのゲームで拾ってもらいました。
16:40母が固まっていた。帰り道彼女が小さく笑った。
16:447
16:44年前の私結構ひどい状態だったんだ。あの日は誰かに最後まで立ってて欲しかった。
16:50初日に彼女がくれた言葉は本当は彼女自身に言っていたのかもしれない。俺は
16:557 年それを聞き続けていたのだ
16:57ねえ。
16:58私まだ立ってるかな?
17:00自分に向けてその言葉を使ったのは
17:027
17:02年で初めてだった。俺は迷わず答えた。立ってます。
17:067
17:06年ずっと見てました。彼女が声をあげて泣いた。駅前の人通りの真ん中で子供みたいな泣き方。俺はただ黙ってその隣に立っていた。それから
17:12[音楽]
17:152
17:15年後の春俺たちは婚姻届けを広げた。締めんで彼女のペンが止まる。
17:20ずっと知らずにいた相手の名前を隠らんだ。
17:23まだ立ってる?
17:24まだ立ってます。 [音楽]
17:25なら行ける。
17:27彼女がペンを走らせた。
17:287
17:28年間顔も名前も知らなかった相棒の名前を俺は今自分の隣に書いている面接官と応募者として出会った。いや、本当はもっと前に出会っていた。名前も顔も知らないまま
17:37[音楽]
17:397
17:39年背中を預け合って気づかないふりをしてすれ違いかけてそれでも最後はいつもの相言葉で立ち直った。盾は最後まで立っていた。
17:47[音楽]
17:47守りたかったのは内定でも面接でもない。
17:507
17:50年前倒れた俺に手を伸ばした人だ。今日も彼女が言う。
17:54もう無理かも。
17:55まだ立ってる。何度でもそう返すために俺は隣に座っている。
17:55[音楽]
17:59今回の慣れ染め話かでしょうか?この動画面白いと思ったらグッドボタンを、つまんねえと思ったらバッドボタンをどちらでもいいのでポチっと押していただけると動画制作の励みになります。次の動画もチャンネル登録をしてお待ちいただけると嬉しいです。
18:09[音楽]
18:16最後 まで ご 視聴 いただき [音楽]
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