Full transcript
0:00妻 が 夫 の 食事 を 作ら なく なっ た 時 、 夫婦 に
0:03起き て いる 本当 の こと 、 妻 が 夫 の 食事 を
0:07作ら なく なる の は 料理 が 面倒 に なっ た から
0:09と は 限り ませ ん 。 本当 に 怖い の は 食卓 から
0:14おか で は なく 、 この 人 の ため に 作り たい と
0:18いう 気持ち まで 静か に 消え 始め て いる こと
0:21です 。 毎日 当たり前 の よう に 出 て い た
0:24味噌汁 が ある 日 から 出 なくなる 。 妻 は
0:28怒鳴り ませ ん 。 離婚 の 話 も し ませ ん 。 ただ
0:33これ から 自分 の 食事 は 自分 で 用意 し て と
0:36いう の です 。 その 時 夫婦 の 間 で は 何 が 起き
0:41て いる の でしょう か ? この 話 を 最後 まで
0:44聞い て いただく と 妻 が 夫 の 食事 を 作ら なく
0:47なる まで に 積み重なっ て いる もの 。 その
0:50変化 を ただ の 家事 の 放棄 だ と 考える と 夫婦
0:52に 何 が 起きる の か 。 と し て 冷たく なっ た
0:55食卓 を 今日 から 少し ずつ 温め直す ため に
0:58できる 具体 的 な 行動 が 分かり ます 。 神奈川
1:01県 の 古い 団地 に 72 歳 の 高志 さん と 69 歳
1:05の ふ子 さん が 暮らし て い まし た 。 結婚 し て
1:0946 年 。 息子 と 娘 は それぞれ 家庭 を 持ち 、
1:13今 は 2人 だけ です 。 た志 さん は 65 歳 まで
1:17印刷会社 で 働き まし た 。 口数 は 少なく
1:21真面目 で 給料 は 全て 家 に 入れ て き まし た 。
1:25酒 も 掛け事 も せ ず 休日 に は 車 で 買い物 へ
1:29連れ て 行き ます 。 自分 は 決して 悪い 夫 で は
1:33ない 。 た志 さん は そう 思っ て い まし た 。
1:36ふみ子 さん は 長い 間 の 食事 を 作っ て き まし
1:40た 。 朝 は 夫 と 子供 の 弁当 を 用意 し 、 夜 は
1:45帰宅く 時間 に 合わせ て 温かい もの を 出し
1:47まし た 。 息子 が 風 を 引け ば おかげ を 作り 、
1:51夫 の 健康 診断 で 数値 が 高けれ ば 塩分 を 控え
1:55た 献立て を 考え まし た 。 ふ子 さん に とっ て
1:58料理 は ただ の 家事 で は あり ませ ん でし た 。
2:02気 を つけ て いっ てらっしゃい 。 いや 、 今日
2:05も お 疲れ 様 。 お 言葉 の 代わり に さえ へ
2:09のせる こと でし た 。 た志 さん が 退職 し て
2:12から も 食卓 は 変わら ない よう に 見え まし た
2:15。 朝 は 焼き魚 と 味噌汁 、 昼 は そば や
2:20チャーハ 、 夜 は 資災 に 2 つ ほど の 小バチ 。
2:24た さん は 毎日 時間 に なる と 席 に 座り 、 黙っ
2:28て 食べ まし た 。 ところ が 3 年 目 の 秋 、 ふ子
2:32さん は 突然 こう 言い まし た 。 来月 から
2:36あなた の 食事 は 自分 で 用意 し て くれる 。 た
2:40さん は 包丁 を 奥 の 顔 を 見 まし た 。 怒っ て
2:44いる よう に は 見え ませ ん 。 声 も 静か でし た
2:47。 どう いう 意味 だ ? 具合 で も 悪い の か ?
2:52そう いう こと じゃ ない の ? 自分 の 分 だけ
2:54作る こと に し た の 。 た さん に は 理解 でき
2:58ませ ん でし た 。 前 の 日 も 2人 で 普通 に 夕食
3:01を 食べ て い ます 。 大きな 喧嘩 を し た 覚え も
3:05あり ませ ん 。 なぜ妻 は 自分 の 食事 だけ を
3:08作ら ない と 言い 出し た の でしょう か ? 変化
3:12は その 日 突然 始まっ た わけ で は あり ませ ん
3:15でし た 。 ある 日 の 夕方 ふみ子 さん は 台所
3:19から 聞き まし た 。 今夜 何 が 食べ たい ? たし
3:23さん は テレビ を 見 た まま 何 で も いい と 答え
3:27まし た 。 ふみ子 さん は 冷蔵 庫 に 残っ て い た
3:31鶏肉 で 煮物 を 作り まし た 。 食卓 に 出す と
3:35た志 さん は 一口 食べ て 言い まし た 。 また に
3:38も か昼 も た よう な もの だっ た な 。 ふみ子
3:42さん は 何 で も い いっ て 言っ た でしょう と
3:45返し まし た 。 別 に 文句 じゃ ない 思っ た こと
3:49を 言っ た だけ だ 。 た さん に 悪意 は あり ませ
3:53ん でし た 。 味 が 嫌 なら 嫌 と いう 方 が 夫婦 の
3:57間 で は 正直 だ と 思っ て い まし た 。 しかし
4:00ふみ子 さん の 中 に は 何 で も いい と 任せ た 後
4:04で 不満 だけ を 言わ れる 疲れ が 少し ずつ
4:07溜まっ て い まし た 。 別 の 日 に は ふみ子 さん
4:11が 新しい 料理 を 作り まし た 。 新聞 で 見つけ
4:15た 豆腐 と 野菜 の 案かけ です 。 た志 さん の 体
4:18を 考え て 油 を 減らし て あり まし た 。 た さん
4:23は 黙っ て 食べ終え 、 最後 に こう 言い まし た
4:26。 やっぱり 普通 の 日や やっこ の 方 が いい な
4:29。 皿 は 殻 に なっ て い まし た 。 さん は 残さ ず
4:34食べる こと が 作っ た 人 へ の 感謝 だ と 思っ て
4:37い まし た 。 けれど 、 ふ子 さん が 聞き たかっ
4:40た の は 難しい 褒め言葉 で は あり ませ ん 。
4:44作っ て くれ て ありがとう と いう たった 一言
4:48でし た 。 夫婦 の 食事 を 冷たく する の は 強い
4:52言葉 だけ で は あり ませ ん 。 何十 年 も 作る 人
4:56の 時間 と 気持ち が 見え ない まま 食べ 続け
4:58られる こと も 心 を 少し ずつ 疲れ させ ます 。
5:02退職 後 は ふ子 さん が 用意 する 食事 が 1 日 2
5:06回 から 3 回 に なり まし た 。 以前 は 昼オ の
5:09凝り物 で 済ま せ たり 、 友人 と 外 で 食べ たり
5:12でき まし た 。 今 は 朝食 を 片付ける と すぐ 昼
5:16の 献立て を 考え ます 。 昼 の 皿 を 洗い終える
5:20頃 に は 夕食 の 準備 が 始まり ます 。 さん は
5:25毎日 立派 な もの を 作ら なく て いい と 言っ て
5:29い まし た けれど 生護 に なっ て 何 も ない と
5:32台所 へ 来 て 冷蔵 庫 を 開け 食べる もの は ない
5:36の か と 尋ね ます 。 その 言葉 を 聞く たび ふ子
5:41さん は 自分 だけ が 食事 の 責任 を 持っ て いる
5:43こと を 思い知らさ れ まし た 。 月 に 2度 ふ子
5:47さん は 地域 の 修芸 会 に 参加 し て い まし た 。
5:51仲間 と 話し ながら ぬ を ぬ 3 時間 は 家族 の
5:54世話 を 忘れ られる 大切 な 時間 でし た 。
5:57ところ が た志 さん の 退職 後 は 出かける 前 に
6:01昼食 を 作り 帰宅 する と すぐ 夕食 の 支度 を し
6:04なけれ ば なり ませ ん 。 ある 日 会 が 終わっ た
6:08後 で 仲間 から お 茶 に 誘わ れ まし た 。 ふみ子
6:11さん は 時計 を 見 て 断り まし た 。 5 時 半 に
6:15さん が 食卓 へ 座る から です 。 家 へ 急ぐ 途中
6:20ふと 私 は 何歳 まで この 人 の 食事 の 時間 に
6:24合わせ 続ける の だろう と 思い まし た 。 その
6:28一方 で た志 さん が 昔 の 同僚 都 で かける 日 は
6:32帰宅 時間 が 変わる こと が あり まし た 。 ふ子
6:35さん が 夕食 を 用意 し て 待っ て い て も 7 時 を
6:38過ぎ て から 食べ て き た と電話 が 来 ます 。
6:43もっと 早く 連絡 し て と 言う と た志 さん は 1
6:48食 くらい 明日 食べれ ば いい だろう と 答え
6:51まし た 。 た志 さん に とっ て は 保存 できる
6:55料理 の 話 でし た 。 ふみ子 さん に とっ て は
6:59買い物 を し 献立て を 考え 帰宅 時間 に 合わせ
7:03て 台所 へ 立っ た 自分 の 1 日 を 軽く 扱わ れ た
7:06よう に 感じる 出来事 でし た 。 また ある 、
7:10ふ子 さん は 焼きたて の 魚 を さん の 前 に 置き
7:13、 自分 は 冷め た 魚 を 食べ まし た 。 味噌 汁 を
7:17温め直し 、 足り ない 漬け物 を 取り に 行き 、
7:21ようやく 座っ た 時 に は た志 さん は 食べ
7:23終わっ て い ます 。 ご 馳そ 様 、 た さん は そう
7:27言っ て テレビ の 前 へ 移り まし た 。 ふみ子
7:30さん は 1人 で 残り を 食べ 、 2人 分 の 皿 を
7:34洗い まし た 。 さん は 毎日 妻 と 一緒 に 食事 を
7:38し て いる と 思っ て い まし た 。 しかし ふみ子
7:41さん は 夫 に 食事 を 出し た 後 で 1人 で 食べ て
7:45いる よう に 感じ て い た の です 。 ここ に 夫婦
7:49が 同じ 食卓 を 囲ん で い て も 孤独 に なる 理由
7:52が あり ます 。 一緒 に 座っ て いる だけ で は
7:55同じ 時間 を 過ごし て いる と は 限り ませ ん 。
7:591人 が 相手 の ため に 立っ たり 座っ たり し 、
8:02もう 1人 が 当然 の よう に 食べえる なら 食卓
8:05は 旦乱 で は [咳払い] なく 仕事場 に なっ て
8:07しまい ます 。 友人 から ご 主人 が 退職 し て
8:11毎日 一緒 で いい わ ね と 言わ れる 度 ふ子 さん
8:16は 笑っ て い まし た 。 夫 は 真面目 で 生活 費 に
8:20も 困っ て い ませ ん 。 食事 を 作る こと が 辛い
8:23など と いえ ば 自分 が 贅沢 を 言っ て いる よう
8:26に 思わ れる 気 が し た の です 。 だ から ふみ子
8:29さん は 夫 に も 友人 に も 本当 の 気持ち を 話せ
8:33ませ ん でし た 。 言葉 に でき ない 不満 は
8:36消える の で は なく 、 毎日 の 献立て と 一緒 に
8:39心 の 奥 へ 積み重なっ て いき まし た 。 そして
8:43ふ子 さん が 食事 を 作る こと を やめよう と
8:46思っ た 決定 的 な 場面 は アジエ の 文句 で は
8:49あり ませ ん でし た 。 昨年 の 冬子 さん は 病院
8:54で 目 の 検査 を 受ける こと に なり まし た 。 朝
8:57から 瞳 を 開く 薬 を 使う ため 帰宅 後 も
9:00しばらく 見え にくく なる と 説明 さ れ て い
9:02まし た 。 前 の 晩 ふ子 さん が その こと を 話す
9:07と志 さん は 言い まし た 。 帰り は 何時 だ ?
9:11昼飯 に は 間に合う の か ? それ だけ でし た 。
9:15検査 は 大丈夫 か と は 聞き ませ ん でし た 。
9:20病院 まで 一緒 に 行こう と も 言い ませ ん でし
9:22た 。 さん は 妻 が 大きな 病気 で は ない と 聞い
9:26て 安心 し て い た の です 。 そして 自分 に は 車
9:31の 運転 を やめ て 欲しい と 言っ た の は 妻 な の
9:33だ から 1人 で 行ける と 思っ て い まし た 。
9:37しかし ふみ子 さん の 耳 に は あなた の 目 より
9:40私 の 昼食 の 方 が 大切 だ と 聞こえ まし た 。
9:45検査 の 日 ふ子 さん は 帰宅 し て も 台所 へ 立ち
9:48まし た 。 ぼやける 目 で 鍋 に うどん を 入れ
9:51まし た 。 さん は 新聞 を 読み ながら 待っ て い
9:55まし た 。 食べ終える と 少し 柔らかい な と
9:59言い まし た 。 その 瞬間 ふ子 さん の 中 で 何か
10:04が 切れ た わけ で は あり ませ ん 。 むしろ 反対
10:07でし た 。 何 も 感じ なく なっ た の です 。 怒る
10:11力 も 説明 する 力 も なく なり 、 ただ もう この
10:16人 の ため に 無理 を し て 作ら なく て いい と
10:20思い まし た 。 多く の 夫 が 見落とし て しまう
10:23の は この しけ さ です 。 妻 が 言い返し て いる
10:27間 は まだ 分かっ て 欲しい と いう 気持ち が
10:30あり ます 。 妻 が 何 も 言わ ず 自分 の 分 だけ
10:34簡単 に 済ま せる よう に なっ た 時 すでに 期待
10:37を 手放し 始め て いる こと が あり ます 。
10:40ふみ子 さん は それ から 少し ずつ 混ん だ 手 を
10:43簡単 に し まし た 。 小バチ が 1 つ 減り まし た
10:46。 味噌 汁 を 作ら ない 日 が 増え まし た 。 た志
10:50さん に 何 が 食べ たい か 聞か なく なり まし た
10:52。 た志 さん は 気づい て い まし た 。 しかし 年
10:57を 取っ て 料理 が 面倒 に なっ た の だろう と
11:00思い まし た 。 無理 し なく て いい ぞ 。 簡単 な
11:03もの で いい 。 そう いえ ば 優しい 夫 だ と 思っ
11:07て もらえる と 考え て い まし た けれど ふみ子
11:10さん に とっ て その 言葉 は 簡単 な もの で も
11:15作る の は あなた と 聞こえ まし た 。 さん 自身
11:19が 台所 に 立つ と いう 意味 は 含ま れ て い
11:21なかっ た から です 。 本当 に 大切 な の は ここ
11:25から です 。 妻 が 食事 を 作ら なく なっ た 後 、
11:29傷つく の は 夫 だけ で は あり ませ ん 。 作る
11:32こと を やめ た 妻 の 心 に も 説明 し にくい 寂し
11:35さ が 残り ます 。 翌月 の 1 日 から ふ子 さん は
11:40本当 に た志 さん の 食事 を 用意 し ませ ん でし
11:43た 。 朝 自分 の ため に トースト と ヨーグルト
11:46を 出し まし た 。 た志 さん の 席 に は 何 も あり
11:50ませ ん 。 本気 な の か ? 先月 話し た でしょう
11:55。 た さん は 冷蔵 庫 を 開け まし た 。 卵 も ハム
11:59も あり ます 。 しかし どこ に フライパン が
12:03ある の か 分かり ませ ん 。 結局 その 日 は 棚 に
12:07あっ た せ を 食べ まし た 。 昼 は 近所 の
12:10コンビニ で 弁当 を 買い 、 夜 は カップ 麺 に し
12:13まし た 。 ふみ子 さん は 隣 で 小さな 鍋 の 湯豆
12:18オフ を 食べ て い まし た 。 同じ 食卓 に 座っ て
12:21いる の に 2人 は 別々 の もの を 食べ ます 。
12:25テレビ の 音 だけ が 流れ ます 。 た志 さん は
12:28自分 だけ 家族 から 外さ れ た よう に 感じ まし
12:31た 。 40 年 以上 働い て き た 夫 に よく こんな
12:35こと が できる な 。 そう 言う と ふ子 さん は 箸
12:39を 止め まし た 。 私 も 40 年 以上 家族 の 食事
12:44を 作っ て き た の よ 。 2人 とも それ 以上 は
12:48話し ませ ん でし た 。 た志 さん の 中 に は 怒り
12:51が あり まし た 。 食事 は 妻 の 役目 だ と 口 に し
12:55た こと は あり ませ ん 。 それ で も 結婚 し て
12:58から ずっと ふ子 さん が 作っ て き た の だ から
13:01これ が 2人 の 生活 だ と 思っ て い まし た 。 急
13:05に やめる の は 長年 の 約束 を 破ら れ た よう に
13:08感じ た の です 。 一方 、 ふ子 さん に も 痛み が
13:12あり まし た 。 た志 さん の 前 に 何 も ない 朝 の
13:15食卓 を 見る と 自分 が 冷たい 人間 に なっ た
13:19よう で 胸 が 苦しく なり ます 。 タ を もう 1 枚
13:22焼け ば 済む こと です 。 それ で も 焼い て
13:25しまえ ば 、 また 何 も 変わら ない 生活 に 戻る
13:28気 が し まし た 。 なぜ ふみ子 さん は 夫 が 困っ
13:32て いる 姿 を 見 て も 手 を 出さ なかっ た の
13:34でしょう か ? それ は 仕返し を し たい から で
13:37は あり ませ ん でし た 。 自分 が どれ ほど 長く
13:41無理 を し て き た か を まず 自分 自身 が 認める
13:44ため でし た 。 数 日 後 、 た志 さん は スーパー
13:48へ 行き まし た 。 相材 売り場 で 値段 を 見 て
13:51驚き まし た 。 健康 を 考え て 焼き魚 を 選び 、
13:56サラダ と 味噌汁 も 買う と 1000円 近く に
13:58なり ます 。 家 に 帰り器 を 並べ て 食べる と
14:03どれ も 味 が 濃く 感じ られ まし た 。 ふみ子
14:06さん が 作っ て い た 煮物 の 味 を 思い出し まし
14:09た 。
14:10しかし すぐ に 謝ろう と は 思い ませ ん でし た
14:13。 食事 くらい で 大げさ だ と いう 気持ち が
14:18まだ 残っ て い た から です 。 その 週 の 日曜日
14:21、 娘 の なお さん が 12 歳 の 孫 を 連れ て 遊び
14:24に 来 まし た 。 昼 に なっ て も ふみ子 さん は
14:28台所 へ 行き ませ ん 。 た志 さん は コンビニ へ
14:31弁当 を 買い に 出 まし た 。 孫 が 不思議 そう に
14:34聞き まし た 。 お ばあ ちゃん は 何 を 食べる の
14:37? 私 は 残っ て いる ご飯 で いい の 。 冷蔵 庫 に
14:42は 前日 の ご飯 が 小さな 容器 に 半 だけ 入っ て
14:46い まし た 。 た志 さん は 自分 の ため に 少し
14:50高い 膜 の うち 弁当 を 買っ て 戻っ て き まし た
14:52。 なお さん は 父 の 弁当 と 母 の 小さな
14:56おにぎり を 見比べ まし た 。 そして 帰り際 に
15:00父 へ 言い まし た 。 お父さん 、 お母さん が
15:04作ら なく なっ た 理由 を 本当 に 聞い た の を 。
15:08聞い た さ 、 もう 作り たく ない ん だろう 。
15:11それ は 理由 じゃ なく て 今 の 状態 でしょう 。
15:15その 言葉 が た志 さん の 心 に 残り まし た 。
15:19自分 は 妻 が 何 を し なく なっ た か ばかり 見 て
15:22、 なぜ そう なっ た の か を 1度 も 聞い て い
15:25ませ ん でし た 。 その 夜 た さん は 台所 で 塩 を
15:29探し まし た 。 引き出し の 奥 に 油 の 染み た
15:33古い の 音 を 見つけ まし た 。 表紙 に は 家族 の
15:37ご飯 と 書か れ て い まし た 。 中 に は 子供 が
15:42幼い 頃 の 鉱物 、 た志 さん の 弁当 の おかず 、
15:46風 を 引い た 時 の 増水 、 健康 診断 の 後 に 作っ
15:50た 薄味 の 料理 が 記録 さ れ て い まし た 。 ある
15:53ページ に は た志 さん 最細 血圧 が 高め 出汁 を
15:58て を 減らす と あり ます 。 別 の ページ に は
16:03豆腐 の 案かけ 反応 なしやっこ の 方 が いい と
16:07言わ れ た と 小さく 書か れ て い まし た 。
16:11そして 最後 の ページ に は 一 だけ あり まし た
16:14。 食べ て もらい たい 気持ち が なくなっ て
16:18いく の が 悲しい 。 さん は 長い 間 を 見 て い
16:22まし た 。 妻 が 料理 を やめ た こと に 腹 を 立て
16:26て い まし た が 、 妻 は それ より 前 から 料理 を
16:29し たい 気持ち を 失っ て いく 自分 に 傷つい て
16:32い た の です 。 翌朝 た志 さん は ふみ子 さん に
16:36訪ね まし た 。 どう し て 作ら なく なっ た の か
16:40もう 一度 聞か せ て くれ ない か 。 ふみ子 さん
16:43は 前 に も 話し た と 言い まし た 。 あえ困っ
16:49て いる こと しか 考え て い なかっ た 。 今度 は
16:52途中 で 言い返さ ない から すぐ に は 話 が
16:55始まり ませ ん でし た 。 2人 は 冷め た お 茶 を
16:58前 に しばらく 黙っ て い まし た 。 やがて
17:02ふみ子 さん は 言い まし た 。 料理 が 嫌い に
17:05なっ た わけ じゃ ない の 。 あなた が 美味しい
17:09と 言わ ない こと だけ が 嫌 だっ た わけ で も
17:11ない 。 私 が 具合 の 悪い 日 も 出かけ たい 日 も
17:15食事 は 当然 ある もの と し て 待っ て い た
17:17でしょう 。 私 の 1 日 も 体 も あなた の 食事 の
17:21後 に ある よう に 感じ た の 。 た さん は 反論
17:25思想 に なり まし た 。 自分 は 強制 し た こと が
17:28ない 。 外食 で いい と いっ た 日 も あり ます 。
17:33しかし その 言葉 を 飲み込み まし た 。 ふみ子
17:37さん は 続け まし た 。 作り たく ない ん じゃ
17:40ない の 。 あなた の ため に 作り たい と 思え
17:43なく なっ た こと が 私 は 1番 悲しかっ た の よ
17:46。 それ が 2人 の 食卓 で 最も 重い 言葉 でし た
17:50。 た志 さん は 初めて 自分 に とっ て 食事 は
17:54毎日 出 て くる もの で も 妻 に とっ て は 毎日
17:57差し出し て き た 気持ち だっ た と 知り まし た
17:59。 受け取る 側 が それ を 当然 だ と 思い 続けれ
18:03ば 差し出す 側 の 心 は いつ か から に なり ます
18:06。 けれど志 さん に も 言え なかっ た こと が
18:10あり まし た 。 俺 の 父親 は 母親 の 料理 を 褒め
18:14た こと が なかっ た 。 残さ ず 食べる の が 礼儀
18:17で それ で 伝わる と 思っ て い た 。 働い て 給料
18:20を 入れる こと が 自分 の 役目 だ と 思っ て い た
18:23ん だ 。 た志 さん は 感謝 が なかっ た の で は
18:26あり ませ ん 。 ただ 感謝 を 言葉 や 行動 に する
18:30習慣 を 持っ て い ませ ん でし た 。 ふみ子 さん
18:34は それ を 聞い て すぐ に 許し た わけ で は あり
18:36ませ ん 。 そう だっ た の と だけ 答え まし た 。
18:41ここ で 2人 の 食卓 が 翌日 から 元通り に なっ
18:45た わけ で は あり ませ ん 。 ふみ子 さん は 夫 の
18:48食事 を 作ら ない 生活 を 続け まし た 。 た志
18:52さん も 分かっ た から また 作っ て くれ と は
18:56言い ませ ん でし た 。 まず た さん は 土曜日
19:00だけ 自分 で 夕食 を 作る こと に し まし た 。
19:03市民 センター の 男性 向け 料理 教室 へ
19:06申し込み 包丁 の 持ち 方 から 教わり まし た 。
19:10最初 に 作っ た 野菜 炒め は ニン参ン が 硬く 肉
19:14に は 火 が 通り すぎ て い まし た 。 ふみこ さん
19:17に 食べ て 欲しい と は 言わ ず 自分 で 食べ 、
19:20自分 で 鍋 を 洗い まし た 。 次 の 週志 さん は
19:252人 分 の うどん を 作り まし た 。 そして 食卓
19:28に 置く 前 に 聞き まし た 。 食べ たく なけれ ば
19:32断っ て いい 。 もし よかっ たら 一緒 に どう だ
19:35? ふみ子 さん は 少し 迷い 半分 だけ と 答え
19:40まし た 。 味 は 決して 上手 で は あり ませ ん
19:43でし た 。 それ で も た志 さん が 薄い か な と
19:48聞く と ふみ子 さん は 私 は これ くらい が いい
19:53と 答え まし た 。 久し ぶり に 2人 が 料理 に
19:57つい て 文句 で は なく 相談 を し まし た 。 その
20:00後 2人 は 食事 に つい て 3 つ の 小さな 約束 を
20:03決め まし た 。 毎週 2 日 は それぞれ 好き な
20:07もの を 用意 する 。 食べ たい もの が ある 人 は
20:11任せ きり に せ ず 自分 も 買い物 や 準備 を する
20:14。 作っ て もらっ た 時 は 黙っ て 食べ終える の
20:17で は なく 一言 で 良い から 感謝 を 伝える 。
20:21さらに た志 さん は 妻 が 通印 する 日 は 自分 の
20:25昼食 を 前 の 日 に 用意 する よう に なり まし た
20:28。 何時 に 帰る で は なく 帰り に 必要 な もの は
20:33ある か と 聞き まし た 。 最初 の うち ふ子 さん
20:38は 夫 の 変化 を 信じ きれ ませ ん でし た 。 数 日
20:42だけ 優しく し て また 元 に 戻る の で は ない か
20:45と 思っ て い まし た 。 だ から さん が
20:49ありがとう と 言っ て も 笑顔 で 返さ ない 日 が
20:53あり まし た 。 それ で も さん は 感謝 し た の に
20:57反応 が ない と 不満 を 言い ませ ん でし た 。
21:0146 年 の 当たり前 を 帰る に は 何 週間 か の
21:04努力 で は 足り ない と は 勝っ て い た から です
21:07。 3 ヶ月 ほど 過ぎ た ある 夕方 ふ子 さん は
21:11台所 で 大根 を 切っ て い まし た 。 た さん が
21:14通りかかる と ふみ子 さん は 言い まし た 。
21:18今日 は 煮物 に しよう と 思う の 。 あなた を
21:22切っ て くれる 。 それ は 以前 の よう に 妻 が
21:26全て 用意 する と いう 意味 で は あり ませ ん
21:28でし た 。 2人 で 作る 食事 へ の 小さな 誘い
21:32でし た 。 た志 さん は 分かっ た と 答え 手 を
21:37洗い まし た 。 婚に の 大き さ は バラバラ でし
21:41た 。 ふみ子 さん は 少し 笑い 、 もう 少し
21:45小さく と 言い まし た 。 食卓 に 並ん だ もの を
21:49食べ て た さん は 言い まし た 。 うまい な 。
21:53いい や 。 作っ て くれ て ありがとう 。 手伝わ
21:56せ て くれ て も ありがとう 。 ふみ子 さん は
22:00大げさ に 喜び ませ ん でし た 。 ただ 味噌汁 を
22:04よい ながら 次 は あなた が 作る 番 と 答え まし
22:08た 。 その 声 に は 以前 に は なかっ た や わらか
22:12さ が 少し だけ 戻っ て い まし た 。 妻 が 夫 の
22:15食事 を 作ら なく なっ た 時 、 夫婦 の 間 で 起き
22:18て いる の は 家事 分担 だけ の 問題 で は あり
22:21ませ ん 。
22:23感謝 さ れ ない 寂し さ 、 体調 や 予定 を 後回し
22:27に さ れる 苦し さ 、 世話 を する 人 と さ れる 人
22:30に 別れ て しまっ た 関係 、 そして この 人 の
22:34ため に と いう 気持ち が 義務 へ 変わっ て いく
22:38悲し さ です 。 だ から 食事 くらい 作っ て くれ
22:42て も いい だろう と せめ て も 関係 は 暖かく
22:46なり ませ ん 。 高価 な 外食 へ 連れ て いく だけ
22:49で も 足り ませ ん 。 まず 必要 な の は 食事 が 出
22:53て こ ない 不便 より 作る 人 が 何 を 感じ て き た
22:56の か を 言い返さ ず に 聞く こと です 。 今日
23:00から できる こと は 難しく あり ませ ん 。 今日
23:03の ご飯 は 何 と 聞く 前 に 何か 手伝える こと は
23:07ある と 聞い て みる 。 週 に 1度 自分 で 一色 を
23:13用意 する 。 食べ終え たら 皿 を 運び 具体 的 に
23:17この 味噌 汁 ほっと し た 。 ありがとう 。 と
23:21伝える 相手 が 体調 の 悪い 日 で かける 日 は
23:25自分 の 食事 を 自分 で 考える 。 そして 料理 を
23:30再開 する 用 相手 を 忙せ ない こと です 。 感謝
23:33は 食事 を 作っ て もらう ため の 交換 で は あり
23:37ませ ん 。 相手 の 時間 と 気持ち を 大切 に し て
23:40いる こと を 伝える 行動 です 。 もし 妻 が すぐ
23:44に 台所 へ 戻ら なく て も 変化 が 無駄 だっ た と
23:47は 限り ませ ん 。 失わ れ た 。 作り たい と いう
23:52気持ち は 命令 で は 戻り ませ ん 。 自分 も
23:56暮らし を 支える 人 に なる こと で 少し ずつ
23:59新しい 夫婦 の 形 が 生まれ ます 。 食卓 は 家族
24:03の 関係 が 最も 良く 現れる 場所 です 。 豪華 な
24:07料理 が 並ん で いる か で は あり ませ ん 。 作っ
24:10た 人 が 大切 に さ れ て いる か 、 食べる 人 が
24:14感謝 を 伝え て いる か 、 どちら か 1人 だけ が
24:17我慢 し て い ない か 、 その 積み重ね が 同じ
24:21料理 の 味 まで 変え て いき ます 。 長年 続い た
24:25習慣 を 変える の に 遅 すぎる こと は あり ませ
24:27ん 。 今夜 食事 が 出 て き た なら 、 黙っ て 箸 を
24:32取る 前 に 作っ た 人 の 顔 を 見 て ください 。
24:36そして 短く て も 良い の で ありがとう 。 と
24:40伝え て み て ください 。 もし 食事 が 出 て こ
24:43ない なら 責める 前 に 1度 自分 で 用意 し て み
24:47て ください 。 その 不便 の 中 で 相手 が 何十 年
24:51続け て き た こと の 重 さ に 気づける か も しれ
24:53ませ ん 。 夫婦 の 食卓 を 温め直す の は 妻 が
24:58再び 料理 を 始める こと で は あり ませ ん 。
25:012人 が 互い を 世話 を する 人 と さ れる 人 で は
25:04なく 同じ 暮らし を 支える 人 と し て 見直す
25:07こと な の です 。 今日 の お 話 に つい て 皆 さん
25:11は どう 感じ まし た か ? 食事 を 巡っ て 夫婦 で
25:15決め て いる こと や 今 まで 言え なかっ た 感謝
25:18が あれ ば 是非 コメント 欄 で 聞か せ て
25:20ください 。 これ から も 老後 の 夫婦 や 家族 に
25:24つい て 一緒 に 考え て いき たい 方 は 是非
25:27チャンネル 登録 を お 願い し ます 。 それ で は
25:31また 次 の お 話 で お 会い し ましょう 。